松原塾では、算数の授業をしているときに「算数はあわてない!」と何度も繰り返して言ってます。理由の1つは計算ミスをしないため、そしてもう1つの理由は文章題を読み取れるようになるため。
「A君は(一定の速さで)1200mを走り終えるのに10分かかりました。A君の走った速さを答えなさい」
これは「きはじ」の件で前回投稿した問題ですが、もう少し問題を複雑にしてみましょう。
「14時20分にA君は1周200mのトラックを(一定の速さで)走り始めました。6周走り終えたときには時間は14時32分になっていました。同じ速さで30分走った場合、A君は何km走ることができるでしょうか?」
解き方は1通りではないですが、例えば
①A君は1200m(5周)を12分で走っているので、A君の速さは分速100mである。(1200÷12=200)
②分速100mで30分走ると3000m走ることができる(100×30=6000)
③3000mは3kmである。(m→kmの単位変換)
といった要素をすべて理解できていなければ正解にはたどりつけません。(もちろん正確に計算する能力も必要です)
一方でこの問題を解くのに特別な計算が必要なわけではなく、①時計が読める、②距離・速さ・時間の関係が理解できている、③m→kmの関係が理解できている、④正確にかけ算やわり算の計算ができる、といったことがクリアできれば情報を整理することで正解にたどりつけます。(反対にいずれかの理解が欠けていれば残念ながら解けません)
いずれにせよ、「解くための知識理解が備わっているにもかかわらず、ぱっと問題を見て考えることなく適当に式を立てて解こうとする人」には「算数はあわてない!」と何度も注意することになります。考えることをあきらめてしまうと算数の学習は極端につまらなくなってしまいます。