高学年の算数では、抽象的な内容を学習することになり、難しいと感じる生徒が増えます。
「単位量あたり」も理解が難しい単元の1つです。
(例題)
ガソリン5Lで100km走る自動車があります。
①この自動車はガソリン1Lあたり何km走ることができますか?
②この自動車が1km走るのにガソリンが何L必要ですか?
①は理解しやすいです。計算も簡単ですし、「5Lで100kmだから、1Lでは・・・」とイメージしやすい。
一方で②はくせ者です。「5Lで100km」と「1kmあたり0.05L必要」というイメージが結び付きにくく、そもそも「5÷100」という式になじみがない。
図に描いて説明すると納得できるのですが、答えの出し方を理解したとて、わかったようなわからないような・・・という感じになりがちです。(今回は計算しやすい数字を使っていますが、これが分数でしか表せない数字になるとなおさら大変です。)
とはいえ、ここで「公式に当てはめる」ことで「答えの出し方だけ覚える」ような、この単元から逃げることはないようにしたいところです。単位量あたりの考え方は6年生で習う「比」の学習や中学校の数学の「比例」「関数」、理科(化学)の物質量やmolの計算にまで関連します。
1回で納得できなくとも、本質が理解できるまでじっくりと理解を積み重ねることを大事にしたいところです。(公式を覚えることによって、計算の負荷が減ったり考え方のヒントとなることで、理解の手助けになることを否定はしませんが。)繰り返しですが、「公式に逃げて理解をあきらめたら、算数・数学はつまずきます」。理解をあきらめず、じっくりと学習することが大事だと感じます。